個展「point A ⇄ point B」(ozasahayashi_project, 2016)

日程|2016年3月18日-20日、 25日-27日
場所|ozasahayashi_project (KYOTO ART HOSTEL kumagusuku 1F)

「身体」そのものが物質として存在し、 時間を司り、ひとつの空間にもなり得る。 また、身体は物質の中にも存在し、時間のなかを漂い、 空間の中に置かれることも知っている。 そのような感覚を持つことで、表現の手段や領域から自由になるとともに 視覚芸術、空間や音楽にさえ、これらを応用することができる。 頑丈な家があると安心して出かけてゆき、帰ってくることができるように 私の身体は表現の 間 ( あわい ) を行ったり来たりするのである。

宮北裕美

宮北裕美は「座る、立つ、歩く」といった、人間の最も基本的な身体の動作を、外部の空間との微妙な関係性で捉えなおすことで、一見シンプルでありながら無限大に表情を変化させる身体の表現を出発点とした作品を発表しています。さらに、ダンス、音、音楽、美術など表現の間で創作を行うさまざまな分野のアーティストとの共同作業を積極的に行ってきました。2012 年に、それまで活動の拠点としていた京都市を離れ、京丹後へ移り住んだ宮北は、集合として のダンスや身体表現とは異なる地点から個としての身体表現を追求していく延長線上で、ダンサーとし て獲得した時間、空間感覚を美術表現へ持ち込みドローイングや絵画などの表現を模索し始めました。「表 現手段を試行錯誤する中で、私には色々なことに手を伸ばしても、揺るがない身体の感覚があるから、 何にでも変容できるのだと思います。」と宮北は語ります。宮北は、異なる表現方法を身体 ( からだ ) と いうひとつの器のなかに浮かべ、そこをまるで水のように変容しながら自由に泳ぐことのできる作家と いえるでしょう。 本企画では、このような宮北の表現の変遷を、過去のパフォーマンス作品を纏めたビデオアーカイブス、 新作映像作品、インスタレーションで展観いたしました。さらに、即興演奏、サウンドアートなど音の世界の第一線で活躍するアーティストをゲストに迎え、京町屋を改装した独特の雰囲気を醸し出すギャ ラリー空間において、この日限りのサイトスペシフィックパフォーマンスを行いました。

パフォーマンスという動的な時間と、映像という固定された ( 記録された ) 時間の両立によって成立す る表現の間 ( あわい ) を、本冊子でドキュメントとして提示できれば幸いです。

プログラム・コーディネート 青嶋 絢

インスタレーション・ビューイング「point A ⇄ point B」(2016)

日程|2016年3月18日-20日、 25日-27日
場所|ozasahayashi_project (KYOTO ART HOSTEL kumagusuku 1F)

パフォーマンス
2016年3月19日 出演 池田安友子、宮北裕美
2016年3月26日 出演 Sachiko M、宮北裕美
2016年3月27日 出演 鈴木昭男

プログラム・コーディネート|青嶋 絢
アーカイブ映像撮影|青山太郎
映像作品提供|かなもりゆうこ
協力|ART HOSTEL kumagusuku、ozasahayashi、Planet N
写真|小山敦資, 松尾宇人、青嶋務